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【実施報告】
1.取組結果(リソースに対する成果を、問題点も含めて)
Sean O'Connor (Prof., Univ. of Washington, School of Law), Toshiko Takenaka (Prof., Univ. of Washington, School of Law), Charles R. Williams (Director, Univ. of Washington, TechTransfer Digital Ventures), Karl R. Hermanns (IP Attorney, Seed IP Law Group PLLC), David Lubitz (IP Attorney, Microsoft Corp.), Mark D. Janis (Prof., Univ. of Iowa, School of Law)の各人に対して、まず、岩手大学の簡単な紹介の後、岩手大学の知財教育について説明し、なぜインタビューに来たかを理解してもらった上で、主として、非法学生に対する知財教育の目標およびその教育方法について経験および実例を交えて意見を聴取した。結果の概略は以下のとおり。
<非法学生への知財教育の目標>
・知財専門家を養成する教育ではないので、詳細を教える必要なし。
・エンジニアやビジネスマンになったときに身に降りかかる問題を理解し、弁理士・弁護士等に適切に相談できる能力を養う。
・発明や著作等について自分の権利を守る。
・他人の権利を不用意に侵害し損害賠償請求されるなどの事態を避ける。
・基本コンセプトを理解し、知財意識を持つ。
・安易に理解できたと思わせることは避ける。
<非法学生への知財教育の方法>
・一方向の授業ではなく、インタラクティブを心がける。
・ロールプレイが望ましいが、大きいクラスの場合、Q & A方式(議論百出で方向がずれるのを修正する苦労もあるが、逆に工学部の学生は議論に慣れていないのでこれら学生を議論に引き入れるのに工夫が必要)。
・皆が関心を持つ新聞種を選ぶ(芸術系の場合著作権)。
・判例を使用する(商標はわかり易い、特許の場合簡単な技術のものを選ぶ)。
・実社会に出たときに遭遇する問題を与えて考えさせる[例:雇用契約(職務発明規定)、特許を取る時の留意点(発表など)、ライセンスの基本、訴訟で証人として呼ばれたときの対応。
・ビジネスの遂行とその成功のための一手段であることを、成功した起業者を呼んで話してもらう。
2.残された課題
非法学生に対する知財教育の目標と方法については、いちいち頷けるような内容であり、そのまま採用できるものも多いとの印象を得た。米国でも非法学生に対する知財教育については同様な苦労があることを知ることができたが、米国の場合、非法学生といっても大学院生か実社会に出る寸前の高学年の学生を対象としているのに対して、岩手大学では大学に入ったばかりの新入生をも対象にしているため、困難性は倍加するものと思われる。
3.今後の措置(新たな研究会やプロジェクトへの展望)
この調査・研究で得られた知見に基づいて試行的であれ授業を実施し、その結果を検証し、改善を重ねるほかない、との一応の結論となっている。
4.関連団体への寄与
非法学生への知財教育の理念と方法論の確立がなされるなら、周辺大学も含めて他大学等での非法学生への知財教育の普及に貢献できるものと思われる。
5.その他
岩手大学では小学生等の子供に知財を教えることのできる教員養成講座をも開催予定であることについては、米国よりも進んでいると驚かれた。マクドナルドの商標などは5歳にもなれば識別できるので、幼年期から教育を進めるべきであるとの意見も聞かれた。総じてわれわれの計画には好意的で(ambitiousと表現していた)、今回の調査では逆に、すくなくとも計画としては優れているとの自信を持つことができた。 |